NISAは国が勧めるから怪しい?国の狙いを公表資料から読み解く

資産を守る

「国がここまで推すNISAって、何か裏があるんじゃないか」
――結論から言うと、その感覚は間違っていません。国には国の目的があります。
ただし、その目的は隠されていません。公表された資料にはっきり書かれています。

FP2級元自衛官ノフクです。
私は勧められるままドル建て保険に入って後悔した経験があるので、「なにかを勧められたら一度疑ってみる」というスタンスは悪くないと思っています。
この記事では、国の狙いを公表資料から読み取ったうえで、私たちの利益と重なる部分と重ならない部分を分けてお伝えします。
(基準時点:2026年8月時点)

この記事は、「副業できない人の資産形成の3つの柱」の柱③『資産を守る』にあたる記事です。

国の狙いは「資産所得倍増プラン」に書いてあります

2022年11月、政府の新しい資本主義実現会議で「資産所得倍増プラン」が決定されました。
NISAの拡充は、この計画の第一の柱として位置づけられています。

そこには、なぜ家計のお金を投資に向けたいのかが書かれています。

「家計の資金が企業の成長投資の原資となれば、企業の成長が促進され、企業価値が向上する。企業価値が拡大すれば、家計の金融資産所得は更に拡大し、『成長と資産所得の好循環』が実現する」

要するに、家計に眠っている現金を、企業が成長するための資金として動かしたいということです。
それによって企業も家計も伸びる、というのが国の描いている絵です。

ノフク
ノフク

私はこの部分は正直に受け止めていいと思っています。
国は「国民のため」だけにNISAを作ったわけではありません。
国としての目的があって、それが私たちの利益にも繋がる。
それだけの話です。

国が動いた背景の数字

同じ資料には、なぜここまで力を入れるのかが分かる数字も載っています。

項目資料に書かれている内容
家計金融資産2,000兆円。半分以上がリターンの少ない現預金
投資に回っている額株式・投資信託・債券への投資は244兆円、投資家数は約2,000万人
20年間の伸び米国は3.4倍、英国は2.3倍。日本は1.4倍
目標①5年間でNISA総口座数を1,700万から3,400万へ倍増
目標②5年間でNISA買付額を28兆円から56兆円へ倍増
出典:内閣官房「資産所得倍増プラン」(2022年11月・新しい資本主義実現会議)。数値は同資料の記載時点のものです。

ここが大事:国の目的とあなたの利益は、重なる部分とそうでない部分があります

重なる部分

非課税という仕組みは本物です。
本来利益に対して掛かる税金がNISAでは掛かりません。
NISA制度を使って資産が増えたら、税金が掛からない分、手元に残るお金が増えます。
ここに裏はありません。

重ならない部分

国が掲げている目標を、もう一度見てください。
増やしたいのは「口座数」と「買付額」です。

あなたが得をしたかどうかは、目標に入っていません。
眠っている現金を循環させるという意味では、口座を作って投資した時点で国の目標は達成されます。
「資産所得倍増プラン」と言うくらいだから、国民全体の資産を増やすという狙いはあるでしょう。
しかし、投資を始めて個人の資産が減ったからといって、国が補償してくれるわけではありません。

「国が勧めているから安心」や「国が勧めているから危険」という声がありますが、どちらも考えることをやめてしまっているという点では同じです。

ノフク
ノフク

これからも様々な制度が生まれてくるでしょう。
その時に大事なのは、「国が勧めているから」ではなく、「どういった狙いがあるか」、「落とし穴はないか」といった事を知ったうえで、自分はどうするか判断することです。

国の資料自体が認めていること

この資料には、投資をしていない人がなぜ投資をしないのか、という調査結果も載っています。

  • 第1位:余裕資金がないから(56.7%)
  • 第2位:資産運用に関する知識がないから(40.4%)
  • 第3位:購入・保有することに不安を感じるから(26.3%)

1位が「余裕資金がない」です。
つまり、投資の前にやることがある人のほうが多い、と国の資料が示しているわけです。

私がこのブログで「まず家計を整える」を最初の柱に置いているのは、これと同じ理由です。
積立を増やすより先に、毎月残るお金を作るほうが確実です。

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まとめ

  • 「国に狙いがある」は本当。ただし隠されておらず、公表資料に書いてある
  • 国の狙いは家計の現金を企業の成長資金に回して資金を循環させること
  • 国の目標は口座数と買付額を増やすこと。個人が得したかどうかは別の話
  • 非課税という仕組みは本物。NISA制度は使っていい
  • 国の資料にも書いてあるように、投資できない理由の1位は「余裕資金がない」。家計見直しを先に

お得に見える制度を疑うのは悪くないことだと思います。
よくわからないまま使っていると、リスクに気づくこともできません。
NISA制度について知ったうえでNISAをやってみようと思った人は、下の記事から始め方を学んで実際に始めてみましょう。

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