「引っ越しが多い転勤族は、光回線の契約どうしたらいいんだろう」
――結論から言うと、転勤が多い人は「引くかどうか」から考えるべきです。
FP2級元自衛官ノフクです。
私自身、転勤のたびに回線をどうするか悩んできました。
この記事では、光回線の選び方3ステップと、転勤・引っ越しが多い人が損をしないための条件をお伝えします。
(基準時点:2026年8月時点の制度・サービスに基づく)
この記事は、「副業できない人の資産形成の3つの柱」の柱①『家計を整える』にあたる記事です。
この記事は「スマホ代の見直し3ステップ」で予告した、インターネット回線の掘り下げ編です。
ステップ1:そもそも光回線は必要か
最初に決めるのはここです。
全員に光回線が必要なわけではありません。
スマホの大容量プランで足りるなら、回線を引かないほうが安く済む場合もあります。
実際、私は自宅に光回線を引いていません。
テザリングも含めて月60GB以上使いますが、無制限で使える楽天モバイルだけで足りています。
これなら、引っ越すとしても工事も違約金も撤去費用も発生しません。
| こんな人 | 向いている選択 |
|---|---|
| 一人暮らし・スマホ中心 すぐ使いたい・数年で引っ越す | 回線を引かない(スマホの大容量・無制限プラン) |
| 在宅勤務・オンライン会議・複数人で同時に使う | 光回線 |
| オンラインゲーム・大容量の動画編集 | 光回線(速度と安定性が要る) |

「家には光回線を引くもの」と思い込んで、なんとなく契約している人も多いです。
まず自分に光回線が必要か確認してみてください。
ステップ2:選ぶ基準は3つだけ
①月額料金
まず、戸建てかマンションか、最大通信速度はどれくらいかで、同じ会社の商品でも料金が違うので注意しましょう。
それから、スマホとのセット割がある場合は、スマホ代との合計金額で比べてください。
スマホを最適なプランにすることでセット割が使えなくなると、合計金額が高くなることもあります。
セット割は魅力的ですが、その分プラン選びの自由度が減ることは理解しておきましょう。
②速度と安定性
SNSや動画視聴といった用途なら、基本的にはどの回線を選んでも通信速度と安定性の面で困ることはないでしょう。
差が出るのは、オンラインゲームや大容量データのアップロードをする場合です。
大事なのは「一番速い回線」を探すことではなく、「自分の使い方に合った回線」を探すことです。
③契約期間と解約時の費用
転勤が多い人にとって、実はここが一番大事です。
安いプランを見つけたと思っていたのに、短期間で転勤することになって結果的に高くついてしまったということもありえます
次の章で詳しく見ていきます。
ステップ3:転勤・引っ越しが多い人はここが変わる
一般的な選び方と決定的に違うのが、この3点です。
ここを確認せずに契約すると、引っ越しのたびに余計なお金を支払うことになってしまいます。
①解約違約金は昔ほど高くない
「途中でやめると数万円取られる」というイメージがあるかもしれませんが、2022年7月の電気通信事業法の改正で、解約違約金の上限は月額料金の1ヶ月分相当までに制限されました。
以前ほど解約違約金を気にしなくて済むようになったと言えますね。
②工事費の残債は残る
違約金が下がっても、工事費の分割払いが残っていれば、解約時にまとめて請求されます。
ここが転勤族にとって一番の落とし穴です。
工事費を24回や36回の分割にしていると、2年経たずに転勤した場合に残りをまとめて払うことになります。
「工事費実質無料」は、多くの場合「使い続ければ無料」という意味です。
③撤去費用がかかる場合がある
設備をそのまま残して機器だけ返す場合、撤去の費用はかからないことが多いです。
問題は、退去時に大家さんや管理者から撤去を求められたときです。
その場合は工事担当者に来てもらう形になり、費用が発生します。
賃貸や官舎では、原状回復の条件を先に確認しておきましょう。

転勤族にとっては「月額料金」だけでなく、「解約するときいくらかかるか」も重要。
月々の料金と併せて、出口で掛かるお金も見るようにしてください。
転勤族の目線で6社を並べてみる
ここまででお伝えした「出口の条件」も含めて、主なサービスを並べます。
6社とも最大通信速度1Gbpsのプランで揃えました。
一般的な使い方なら1Gbpsで十分なので、この通信速度の料金プランで比較していきます。
そのうえで転勤が多い人が見るべきなのは、毎月の料金と「やめるときにいくらかかるか」を合わせた金額です。
そこで、表の右側には、2年・3年・4年で解約した場合に結局いくら払うことになるかも入れました。
| サービス | 月額 | 契約期間 | 解約 違約金 | 工事費と 分割回数 | 解約時の 撤去費用 | 2年で 解約した場合 | 3年で 解約した場合 | 4年で 解約した場合 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| フレッツ光 (NTT東日本) | 3,355円 +プロバイダ料 | 2年 自動更新 | 1,650円 | 22,000円 24回 | 0円 撤去を頼むと 11,000円 | 12万円 | 16万円 | 21万円 |
| ドコモ光 | 4,400円 | 2年 自動更新 | 4,180円 | 28,600円 24回 | 0円 | 14万円 | 19万円 | 24万円 |
| ソフトバンク光 | 4,180円 | 2年 自動更新 | 4,510円 | 47,520円 24回 | 案内なし | 15万円 | 20万円 | 25万円 |
| auひかり マンション ギガ | 4,455円 | 2年 自動更新 | 2,290円 | 33,000円 23回 | 0円 撤去工事は 不要 | 14万円 | 20万円 | 25万円 |
| @スマート光 通常プラン | 3,630円 | 縛りなし | 0円 | 22,000円 キャンペーンで 0円 | 案内なし | 11万円 | 15万円 | 20万円 |
| マネーフォワード光 1ギガ | 3,850円 | 24ヶ月 | 3,500円 25ヶ月目以降は 0円 | 0円 | 案内なし | 10万円 | 14万円 | 18万円 |
右の3列は、その期間使って解約したときに払う合計額の試算です(千円の位を四捨五入)。
<試算の前提>月額×利用月数+工事費(定価)+解約違約金。撤去費用は0円、事務手数料とキャンペーンは含めていません。違約金は更新月以外に解約した場合で計算しています。
フレッツ光はプロバイダ料が別なので、最も安いBB.excite(539円)を足しています。@スマート光の工事費は定価の22,000円で計算しているので、キャンペーンが使えればさらに下がります。
撤去費用は、ドコモ光とauひかりが公式に「かからない」「撤去工事は必要ない」と明記。ソフトバンク光・@スマート光・マネーフォワード光は案内が見当たりませんでした。
料金も条件も変わります。申し込む前に必ず公式サイトで確認してください。
この表から分かることが3つあります。
①差は数万円になる
同じ1Gbpsの回線を同じ期間使って解約する場合、一番安いところと高いところでは数万円の差がつきます。
しかも2年・3年・4年のどこで解約しても、価格の順番はほとんど変わりません。
金額の差を大きくしているのは解約違約金ではなく、月額料金と工事費だということが分かると思います。
いくつか契約期間の縛りがないサービスや、工事費がかからないサービスもあります。
これらを使った場合、転勤が決まって解約するときに払うものがほとんどありません。
長く契約するなら工事費も気にならないかもしれませんが、転勤族にとっては大きな出費になってしまいます。
②「撤去費用がかかる」かは物件側の事情による場合が多い
撤去費用は、ふつうに解約するだけならかかりません。
設備はそのまま残して、借りていた機器だけを自分で返す「無派遣工事」を選べば0円です。
NTT東日本も、無料で解約する方法として「解約時に無派遣工事を選択願います」とはっきり書いています。
では、どういうときに撤去費用がかかるのかというと、自分から撤去を頼んだときと、物件の都合で撤去しなければならないときです。
転勤族に効いてくるのは、後半の「物件の都合」のほうです。
無派遣工事を選ぶと、電柱から部屋までの引込線と屋内の配線はそのまま残されます。
これを大家さんや管理会社が「元に戻してほしい」と言えば、工事担当者に来てもらうことになり、費用が発生します。
つまり撤去費用は、回線会社の条件よりも物件側の事情で決まる部分が大きいということです。
賃貸や官舎なら、契約する前に「退去のとき、光回線の設備は残していいか」を管理者に確認しておくのがベストです。ここを先に押さえておけば、退去のときに慌てずに済みます。
なお、ソフトバンク光・@スマート光・マネーフォワード光は、撤去費用の案内が見つけられませんでした。
書いていない=かからないではないので、申し込む前に確認することをおすすめします。
③違約金より、工事費の残りを見る
違約金は法律で上限が決まるようになった結果、どこを選んでも大差がなくなりました。
時間を掛けて「違約金が安い回線」を探す必要はないということですね。
差がつくのは工事費です。会社によって2倍以上の開きがあり、しかも24回前後の分割で払うので、2年経たずに転勤すると残りをまとめて請求されます。
もし1年で異動になれば、工事費の半分がそのまま請求書に載ってくる計算です。
工事費がかからないサービスなら、この心配がありません。
ホームルーターやポケットWi-Fiは勧めません
「工事不要ですぐ使える」という理由で、コンセントに挿すだけのホームルーターや、持ち運べるポケットWi-Fiを勧める記事は多いです。
ですが私は勧めません。
速さと安定性は光回線に届かないのに、月額料金は光回線と大きく変わらないからです。
プランによっては、ホームルーターのほうが光回線より高いこともあります。
これらは光回線ではなく、スマホと同じ携帯の電波を使う仕組みです。
建物や時間帯で速度が変わりますし、混雑する時間には遅くなります。
安さの面でも、速さ・安定性の面でも、どっちつかずになってしまいます。

使っている人が多いから安心、とは限りません。
私は「安いか」と「ちゃんと使えるか」の両方で見て、どちらも中途半端なものは選ばないようにしています。
官舎・単身赴任先での注意点
- 工事には管理者の許可が要る。官舎や集合住宅では、壁に穴を開ける工事や共用部での作業に許可が必要です。申し込む前に確認を
- すでに設備が入っていることがある。建物に光配線が来ていれば工事が簡単に済み、費用も抑えられます。まず建物の状況を調べる
- 単身赴任先は「短期前提」で選ぶ。数年で戻る可能性があるなら、工事費などを要確認
- 家族と別居する場合は二重に払うことになる。自宅と赴任先の両方で回線を持つと固定費が倍になります。赴任先はスマホの無制限プランだけで足りないか検討を
まとめ:月額だけではなく全体を見る
- まず引くかどうかから考える。スマホの大容量プランで足りる場合もある
- 選ぶ基準は「月額料金・速度・契約期間」の3つ
- さらに転勤族が見るべきは解約違約金より工事費の残債。違約金の上限は1ヶ月分相当に制限されたが、工事費の分割は残る
- 2年・3年・4年のどこで解約しても、合計額の差は数万円になる。解約するときまで含めた合計で選ぶ
- 撤去費用は必ずかかるわけではない。設備を残す「無派遣工事」なら0円のことが多い。ただし公式に案内がない会社もあるので、契約前に聞く
- ホームルーターやポケットWi-Fiは勧めない。速さも安定性も光に届かないのに、料金は光と変わらない
- 官舎は工事の許可と既存設備の確認を先に
スマホ・光回線選び以外にも、固定費を見直すことで毎月の支出を減らせるかもしれません。
固定費見直しの記事を読んで、減らせる固定費がないか探してみましょう。

私が貯金ゼロから1,000万円を作った道のりは、プロフィールにも書いています。
