「投資を始める前に、現金はいくら残しておけばいいの?」――結論から言うと、目安は生活費の3〜6か月分。公務員には6か月分をおすすめします。
FP2級元自衛官ノフクです。
「公務員は安定してるから少なくていいのでは?」と思った人にこそ読んでほしい、意外な落とし穴がこの記事のテーマです。
この記事は、「副業できない人の資産形成の3つの柱」のうち、柱③『資産を守る』にあたる記事です。
結論:会社員は「生活費3〜6か月分」、公務員は「生活費6か月分」が目安
生活防衛資金とは、病気・ケガ・急な退職など「収入が止まる事態」に備える現金のことです。
一般的な目安は次のとおりです。
| 立場 | 目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 会社員(雇用保険あり) | 生活費の3〜6か月分 | 失業しても失業手当がある |
| 公務員・自衛官 | 生活費の6か月分 | 失業手当がない |
| 自営業・フリーランス | 生活費の12か月分 | 収入の変動が大きい、失業手当もない |
根拠:公務員には雇用保険(失業手当)がない
意外と知られていませんが、公務員は雇用保険法の適用除外となっています。
公務員には独自の退職手当制度などがあることが理由ですが、勤続期間が短いと退職手当はわずかです。
つまり、雇用保険料を払ってないので当然ではありますが、依願退職・家庭の事情などで職場を離れると、会社員なら受け取れる失業手当が公務員にはありません。
「クビにならないから安心」と「辞めた後も安心」は、まったく別の話なのです。
一方で、病気やケガで働けない間は共済組合の傷病手当金など手厚い保障があります。
公務員は「働き続ける限り強いが、離れた瞬間に弱い」。
この特徴に合わせた備えが、生活費6か月分という目安です。
医療費についても、共済組合や健康保険組合の「付加給付」があれば自己負担は月2万5千円前後で止まります。いくらまでかかるのかを先に知っておくと、確保する金額も決めやすくなります。


公務員の安定は「辞めない前提」の安定。
だからこそ、辞める自由・休む自由のために生活防衛資金を用意しておくことが重要なんです。
私の体験:生活防衛資金があると投資で焦らない
私も投資を始める前に、まず生活費の半年分を現金で確保しました。
投資を始めてから相場が下がる場面もありましたが、生活費の心配がないので慌てて売らずに済みました。
安心して資産形成を続けられたのは、この生活防衛資金のおかげだと思っています。
生活防衛資金の作り方3ステップ
ステップ1:毎月の生活費を把握して必要な金額を計算する
まずは「固定費見直し」の記事を参考にして毎月の固定費を減らしましょう。
そうすると、必要な生活防衛資金が少なくなります。
月25万円の生活なら150万円必要ですが、月20万円に下がれば120万円で済みます。
固定費見直しができたら、「家計簿アプリ」などを利用して家賃・食費・通信費など、1か月に必要な生活費を把握して生活防衛資金を計算します。
結婚などのライフイベントで生活の形が変わったら、その都度必要な金額を計算しましょう。
同じ6か月分の生活防衛資金でも金額が変わります。
結婚で家計がどう変わるかは、こちらで解説しています。

ステップ2:先取りで貯める
給与天引きや自動振替で、給料日に自動的に貯まる仕組みを作ります。
「自衛官はお金が貯まる?」の記事でも伝えているように、「使った残りを貯める」のではなく「貯めた残りで暮らす」が鉄則です。
自衛官なら定額積立貯金を利用するのもありですが、定額積立貯金はいつでもどこでもお金を引き出せる訳では無いので注意しましょう。

ステップ3:置き場所は「すぐ引き出せる、景気や相場の影響が少ない所」に
生活防衛資金は増やすためのお金ではなく、守るためのお金です。
普通預金など、必要なときにすぐ引き出せる場所に置きます。
また、いざという時に使うお金なので投資に回してはいけません。
投資信託や株なら売却すれば現金にできるし、ただ現金で置いておくのはもったいないという人もいますが、200万円必要だと用意していた投資信託が暴落で100万円になったタイミングで失業してしまったら生活を守れません。
もし暴落と失業が同時に来ても耐えられるようにしておきましょう。
金利が動く環境になったので、普通預金・定期預金・共済の貯金をどう使い分けるかも整理しておくと迷いません。


「せっかくの現金がもったいないから投資に…」は危険です。
生活防衛資金は保険と同じ。増えないけれど家族の生活を守ってくれるお金です。
注意点
- 必要金額が貯まったら投資を始められる準備を。生活防衛資金を貯めながら、証券口座開設などNISAを始める準備を進めるのは問題ありません。
貯めながら少額でも始めた方がいいという意見もありますが、生活防衛資金はいざというときに生活を守るためのお金なので最優先すべきというのが私の考えです。 - 多すぎもよくない。現金はインフレで実質的に目減りしていきます。目安の6か月分を大きく超える分は柱②「資産を育てる」へ回すことをおすすめします。
- 保険で代用しない。「貯蓄型保険があるから大丈夫」は、すぐ引き出せない・元本割れがある時点で防衛資金にはなりません。必要なときにすぐ使える普通預金などで用意しましょう。
まとめ:投資の前に、守りの現金
- 生活防衛資金の目安は生活費の3〜6か月分。公務員は失業手当がないので6か月分
- 固定費を減らせば、必要な防衛資金も小さくなる
- 置き場所はすぐ引き出せる普通預金など。投資には入れない
土台ができたら、次は柱②「資産を育てる」へ。
公務員がNISAをやっていい根拠は「公務員はNISAをやってもいいの?」で解説しています。
私が貯金ゼロから1,000万円を作った道のりは、プロフィールにも書いています。

