「証券会社にお金を預けて、その会社が潰れたらどうなるんだろう」
――結論から言うと、預けた株や投資信託は原則そのまま戻ってきて、もしもの場合の補償もあります。
FP2級元自衛官ノフクです。
これは投資を始める時に気になるところだと思います。私も最初は不安でした。
この記事では、資産が守られる仕組みとそれでも守られなかったときの補償、そして補償の対象にならないものをお伝えします。
(基準時点:2026年9月時点の制度)
この記事は、「副業できない人の資産形成の3つの柱」の柱③『資産を守る』にあたる記事です。
銀行の預金とは守られ方の仕組みが違います
銀行にお金を預けると、その預金は銀行のお金として運用されます。
そして、銀行が破綻した場合は預金保険で一定額まで保護されるという形になります。
証券会社は違います。
お客さんから預かった株や投資信託などの資産は、証券会社自身の財産とは分けて管理することが義務づけられています。
これを分別管理といいます。
分けて管理されているので、証券会社が倒産しても預けた資産は倒産手続きの対象になりません。
会社の借金の返済に使われることもありません。
だから、原則としてそのまま返ってきます。

ここが一番大事なところです。
「1,000万円まで補償される」という話をよく聞くと思いますが、順番が逆なんです。
分別管理で全額戻るのが原則で、補償はその次の話です。
分別管理が守られていなかったときの備え
しかし、万が一その義務が守られていなかったら、という心配は残りますよね。
そのための二段目の備えが投資者保護基金です。
日本投資者保護基金の説明によると、証券会社が分別管理を行っておらず資産を円滑に返還できない場合に、1人あたり1,000万円を上限として金銭で補償されるとされています。
つまり、分別管理と投資者保護基金の二重の守りになっているということです。
補償の対象になるもの・ならないもの
ただし、何でも補償されるわけではありません。
ここは知っておいたほうがいいところです。
| 対象になる主なもの | 対象にならない主なもの | |
|---|---|---|
| 取引の種類 | 株式・公社債・投資信託の取引 (海外で発行されたものを含む) | 店頭デリバティブ取引 海外取引所の有価証券市場デリバティブ取引 |
| 証拠金など | 株式の信用取引に係る保証金 国内の取引所の市場デリバティブ取引に係る証拠金 国内取引所の株価指数証拠金取引に係る証拠金 | 取引所の通貨関連取引 外国為替証拠金取引(FX取引) 第二種金融商品取引業の商品に該当するものの取引 |
補償の対象は同基金の会員である証券会社の顧客のうち、金融機関や国・地方公共団体などのいわゆるプロの投資家を除いた人です。
制度の内容は変わることがあります。最新の内容は日本投資者保護基金の公式サイトで確認してください。
難しい言葉が並んでいて分かりにくいと思いますが、NISAで買うような投資信託や株式は補償対象に入っているということです。
つまり、このブログで勧めているインデックス投資をするときは、万が一の場合にも補償を受けられるということです。
インデックス投資については下の記事で解説しています。

よくある4つの勘違い
①「1,000万円までしか守られない」
違います。
先に書いたとおり、まず分別管理で全額戻るのが原則です。
1,000万円の補償は分別管理が破られたときの最後の受け皿です。
「投資の評価額が1,000万円を超えたから、倒産した時に備えて他の証券会社に分けよう」といったことをする必要は基本的にありません。
②「銀行のペイオフと同じ仕組み」
仕組みが別物です。
銀行預金は「銀行の資産として扱われる」ので保険で守ります。
証券会社は「証券会社の資産と分けて管理している」ので、原則として返ってきます。
お金の管理の仕方が違うことを理解しておくと、混同しなくて済みます。
③「値下がりも補償してもらえる」
補償されません。
倒産の話と相場の話は別です。投資した商品が値下がりした分は、どの制度でも守ってくれません。
当たり前に思えるかもしれませんが、ここを混ぜて考えている人は少なくありません。
④「銀行で買っても同じ」
少し違います。
銀行は投資者保護基金の会員ではないので、投資信託を販売した銀行が破綻した場合でも投資者保護基金の補償対象にはなりません。
ただし、これは「銀行だと危ない」という話ではありません。
投資信託の財産は、そもそも販売した銀行が持っていないからです。
信託銀行というところが信託財産として分けて管理しているので、販売銀行が破綻しても投資信託は守られますし、別の販売会社に移して取引を続けることもできます。
基金の1,000万円が効くのは、証券会社自体で預かっているお金や株が返ってこないときです。
銀行はその業務をほとんどしていません。
つまり、銀行も証券会社も投資者の資産を守る仕組みはあるけど、守りの形が違うということです。

証券会社も銀行と同じルールでお金を管理していると思われがちですが、実はかなり違うんですよね。
分別管理と補償について知っておくと投資を始めるときの不安が減ると思います。
買う前の待機資金も、1,000万円まで守られます
「買ったあとの資産は分かったけれど、買う前に置いてあるお金はどうなるのか」。ここも気になるところだと思います。
結論から言うと、こちらも1,000万円まで守られます。ただし守る制度の名前が違います。
| どこに置くか | 買う前のお金 | 買ったあとの投資信託 |
|---|---|---|
| 証券会社 | 預り金として 投資者保護基金が1,000万円まで | 信託銀行が信託財産として分けて管理 |
| 銀行 | 普通預金として 預金保険が1,000万円まで | 同じ |
預金保険は、利息のつく普通預金や定期預金などが1金融機関につき預金者1人あたり元本1,000万円までと利息等。無利息型普通預金などの決済用預金は全額保護されます。
投資信託そのものは預金保険の対象ではありません。
制度の名前は違いますが、守られる形はほとんど同じです。
資産を守るためにできること
- 生活防衛資金は投資に回さない。倒産とは関係なく、値動きのあるところに置くと必要なときに必要な金額を用意できない可能性があります
- 証券会社を規模やイメージで選ばない。守られる仕組みは同じなので、余計な勧誘を受けやすい窓口に行かなくて済む証券会社を選ぶことをおすすめします
- 倒産に備えて特別にやることはありません。仕組みで守られているからです。ここまで読んで安心できたなら、あとは始めるだけです。

まとめ
- 証券会社が倒産しても、分別管理があるので預けた資産は原則そのまま戻る
- 万が一分別管理が守られていなかったときは、投資者保護基金が1人あたり1,000万円を上限に補償する
- 株式・投資信託は対象。FXなどは対象外
- 値下がりは、どの制度でも補償されない
倒産の心配が消えたら、次はどこで口座を作るかです。そちらは別記事でお伝えします。

私が貯金ゼロから1,000万円を作った道のりは、プロフィールにも書いています。

