「公務員ってみんなどれくらいお金を貯めているんだろう?自分は平均くらい貯められてるか不安」
――結論から言うと、平均額を調べても不安は消えません。どれくらいのお金が必要なのかは、自分がどういう人生にしたいかによるからです。
FP2級元自衛官ノフクです。
30代になったばかりの頃に同期で集まった時、資産額の話をしたことがあります。
自分の2倍以上の資産を持っている同期がいて不安になったり、自分より資産を持っていない同期を見てホッとしたりしましたが、意味のないことをしていたなと今になって思います。
その頃の私はライフプラン表も作っておらず、お金をたくさん持っている事が正解だと思っていました。
今なら、人生に必要なお金は人によって違うから他の人と比べることに意味はない、と確信を持って言えます。
その前提のうえで、自分の人生に必要なお金を計算するために、他の人達がどれくらい資産を持っているか参考にすることもあると思います。
この記事では、貯蓄額のデータの正しい読み方と確認すべき3つのことを、30代の全国調査データを例としてお伝えします。
(※本記事は2026年8月時点の情報をもとにしています)
この記事は、「副業できない人の資産形成の3つの柱」の柱①『家計を整える』にあたる記事です。
まず知ってほしいこと:平均値はあてにならない
貯蓄額の統計を見るとき、平均値と中央値という2つの値が出てきます。
実は、この2つは意味がまったく違います。
| 指標 | 意味 | 特徴 |
|---|---|---|
| 平均値 | 全員の合計÷人数 | 一部の高額な人に大きく引っ張られる |
| 中央値 | 金額順に並べたときの真ん中の人 | 実感に近い |
同じ調査でも、平均値は中央値の2倍以上になることが珍しくありません。
例えば、100人のうち99人が100万円持っていて残りの1人が10億円持っている場合、中央値は100万円ですが平均値は1,099万円となるのです
ニュースやSNSで見かける、「30代の平均貯蓄額は◯◯万円」といった金額はたいてい平均値のほうですが、一部のお金持ちに引っ張られて金額が上がってしまうのであてになりません。
実際の数字を見てみましょう。
金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査」2025年による、全国の30代の値はこうなっています。(公務員だけを対象としたデータではありません。)
| 30代 | 平均値 | 中央値 |
|---|---|---|
| 単身世帯 | 501万円 | 100万円 |
| 二人以上世帯 | 1,096万円 | 311万円 |
金融資産をまったく持っていない世帯も含めた数字です。回答数は単身世帯325、二人以上世帯648。
どちらの世帯でも、平均値と中央値は3倍以上離れています。
平均値を基準に考えると、世間の実態からかけ離れてしまうのが分かると思います。
もうひとつ大事なのは、単身世帯と二人以上世帯では金額がまったく違うことです。
世帯の形が違う人と自分を比べても、あまり意味がありません。
ちなみに金融資産をまったく持っていない世帯は、二人以上世帯で17.6%、単身世帯では32.3%です。

統計を見て安心したい気持ちは分かります。
ただ、平均より上でも足りない人はいますし、下でも十分な人はいるんですよね。
統計の中央値を見て自分の資産形成の参考にするのはいいですが、比べて喜んだり落ち込んだりする必要はありません。
中央値より先に確認すべき3つのこと
①生活防衛資金があるか
病気やケガ、家族の事情で急に働けなくなったときに、生活を支える現金です。
公務員は雇用保険がないため、生活費の6ヶ月分が目安になります。
このいつでも使えるお金が確保できているかどうかは、総貯蓄額より先に確認すべき点です。
考え方は「生活防衛資金はいくら必要?」で解説しています。
②毎月いくら残せているか
貯蓄額は、それまでの年数と収入、そして支出で大きく変わります。
だから貯蓄の総額より、毎月の手取りのうち何割を残せているかのほうが、今の家計の実力をよく表します。
今の家計の実力が分かれば、10年後の姿がかなり正確に読めます。
把握できていない場合は、家計簿アプリを活用して把握しましょう。

③これから何にいくら必要か
ここが本題です。
子どもの進学、住宅、車の買い替え、老後。
必要額は家族構成や進路などで何倍にも変わります。
子どもが2人いて2人とも私立に進むのか、1人だけで公立なのか、といった差で必要な額はまったく違います。
統計と見比べても、この差は分かりません。
自分に必要な額を出す方法
将来の収入と支出を1年1行で並べていくと、何歳のときにいくら足りなくなるかといったことが具体的な数字で見えます。
これがライフプラン表です。
作り方の手順と、ブラウザで開くだけの体験版ツールをこちらで配布しています。

平均より多いから安心、少ないから危険、という判断は意味がありません。
自分の必要額が分かれば、周りの平均は関係無いことが分かると思います。
平均値や中央値は、目安の1つとして自分のライフプラン作成の参考にする程度で十分です。
まとめ
- 平均値は一部の高額層に引っ張られる。見るなら中央値
- 先に確認すべきは①生活防衛資金 ②毎月残せている割合 ③これから必要な額
- 自分の必要額はライフプラン表で出せる。出してしまえば平均は関係ないことが分かる
私が貯金ゼロから1,000万円を作った道のりは、プロフィールにも書いています。

